
お酒を飲み過ぎた次の日に、声がしゃがれてハスキーになった経験はありませんか?いわゆる「酒やけ」と呼ばれる声です。実は私も忙しかった次の日は必ず声が出にくくなり、見事にガラガラ声の酒やけをしてしまってました。「これはヤバイ!」と本気で思ったからこそあらゆる方法を試し、解決法に辿り着いたのです。そこで今回は現役キャバ嬢である私が、酒やけする原因やその治し方について詳しくご紹介したいと思います!
酒やけとは声帯が炎症を起こすこと
キャバ嬢のみなさんは、酒やけと聞くと「お酒の飲み過ぎで声が枯れてしまうこと」と思うでしょう。私もそうでした。しかし本当の意味は「お酒の飲み過ぎで顔が焼けたように赤くなること=酒焼け」だそう。
詳しく言うと、アルコールを代謝していく過程で分泌される「アセトアルデヒド」が影響しています。このアセトアルデヒドが体内で「酸化ストレス」となり、顔や皮膚を赤くしてしまうのです。
これが本来の意味なので、正しくは「酒やけ」ではなく「酒焼け」となります。単語で言えば、胸焼けや日焼けと同じ「~焼け」分類です。しかし今回は前者の意味、「お酒の飲み過ぎで声が枯れてしまうこと」を指してお話していきましょう。
今回ご紹介する「酒焼け」ならぬ「酒やけ」は、喉にある声帯が炎症を起こしている状態を言います。だからこそ声がいがらっぽくなったり、軽度の痛みを感じたりするのです。ではなぜ声帯が炎症を起こしてしまうのでしょうか。その原因については次項から詳しくご説明しましょう。
お酒と喉痛み、声枯れは医学的に関係ない!しかし経験上、関係ある!
私たちは喉の痛みや声枯れが起こると、それを「酒やけ」と呼びます。この呼び方に疑問を持つ方などいないでしょう。「酒やけとは声帯が炎症を起こしている状態である」と聞いても、「あぁ、お酒の飲み過ぎで炎症を起こしたんだな」と考えるはずです。
しかし実はこの酒やけ、医学的にはまったく根拠のない造語になります。東京ボイスクリニック品川耳鼻咽喉科の院長である楠山敏行氏も、『アルコールが声帯に及ぼす直接的な影響はない』と断言されているのです。
それでも私は声を大にして言いましょう。経験上絶対関係がある!と。「関係ないわけないんだけどなぁ」と思い詳しく調べたところ、3つの原因が浮かび上がりました。
飲み会の後日酒やけになる原因3つ
お酒は酒やけの直接的要因ではないにしろ、飲み会後に酒やけする原因は3つ考えられます。キャバクラで働いた経験がある人なら、きっと心当たりがあることばかりなはず。「3つのうちいずれかが当てはまるから~」ではなく、「3つの原因が一気に起こりやすい」のが飲み会なのです。1つずつご説明しましょう。
①喉(声帯)の天敵「乾燥」
「乾燥すると喉が痛くなる」、これはお酒など関係なく起こる事柄ですよね。特に冬場ともなれば、喉のイガイガに困られる方も多いでしょう。キャバクラの場合、声帯が乾燥するのは以下の要因が考えられます。
- 酔って呼吸が荒くなるため
- 体温が上がり口呼吸時の蒸発量が増えるため
- アルコールによって利尿作用が働き水分不足になるため
アルコールが体内に入れば、どんなにお酒に強い人でも心拍数は上がります。そうなれば呼吸が荒くなり、体温は上昇するでしょう。誰しも酔った状態になると、通常時より多くの水分を失いやすくなり、乾燥しやすくなってしまうのです。
②声帯を酷使する「大声」
一人で宅飲みしていれば、この原因は関係ないかもしれません。しかし大勢での飲み会であったり、キャバクラでの飲酒ともなれば、どうしても大声を出さざるを得ない状況になるはずです。
- お客様が酔うと耳が遠くなるため、こちらも声を張る必要がある
- 忙しいと店内が騒がしくなるため、スムーズに会話するには大声が必要になる
- カラオケが設置されていれば、営業時間内に何曲も歌うことになる
これらは全て声帯を酷使する原因です。キャバクラ内で大声を出さずに営業するのは不可能でしょう。キャバ嬢はどうしても大声を出す必要があるため、声帯を酷使し傷めてしまうのです。
③声帯に悪影響しか与えない「喫煙(副流煙)」
プライベートではどうかわかりませんが、少なくとも私たちキャバ嬢は、営業中にタバコを吸うことはありません。しかしお客様の中には、タバコを吸われる方が多数おられると思います。そうなると必然的に副流煙を吸ってしまうでしょう。
- 接客しているお客様が吸われる
- 煙が届く範囲(2m内)に喫煙者がいる
- 喚起ができていない店内でいつまでもタール(ヤニ)が対流している
これらの要因により、店内は決して空気の状態が良いわけではありません。タバコは声帯に直接的な悪影響をもたらすもので、この1つの原因だけでも声は枯れ痛みを引き起こしまうのです。
こうして見てみると、忙しい日のキャバクラは喉に厳しい状況になるのがわかります。これら3つの原因が一気に起こるのが酒の席になるため、声が枯れる=酒のせいと思われるようになったのでしょう。
アルコールは水分補給にならない!むしろ水分不足になる
酒やけする3つの原因のひとつ「1.乾燥」で、利尿作用が働き水分不足になるとお伝えしました。「お酒は水分なのに!?」と驚かれたかもしれません。確かに水分ではありますが、アルコールは水分不足を招く飲み物なのです。
先ほどは簡潔に”利尿作用が働く”と言いましたが、正しくは”抗利尿ホルモンを抑制する”です。「おしっこが我慢できなくなる」と言い換えるとわかりやすいでしょうか。そのためお酒を飲むと頻繁にトイレに行きたくなりますよね。
お酒を飲めば飲むほどおしっこに行ってしまい、結果として体内の水分不足を招きます。そんな水分不足の状態で大声を出したりカラオケしたりすれば、喉が乾燥し声帯の炎症を起こして当然です。
「これだけ酒を飲んでるんだから水分不足になんてならない」は大間違い。むしろ飲めば飲むほど水分不足になり、泥酔する頃には軽度の脱水症状になっているのです。
キャバの次の日、ダミ声にならない対策法4選【実体験済】
個人的に”ママ”と呼ばれる年代の方が、酒やけでハスキーな声になられているのは好きです。その声で歌うカラオケは「カッコイイ♡」と思いますし、ちょっと憧れもします。しかし20代のキャバ嬢で酒やけしているのは、決して格好のいいものではありません。
私も「んんっ!」と営業中に何度も咳払いするのも嫌でしたし、お客様に「お前の声、それ飲み過ぎだろ(笑)」と言われるのも恥ずかしかったのです。そのため喉に良いとされるものは何でも試してきました。
世の中には喉に良いとされる方法がたくさんありますが、ここでは私が実際に試して「酒やけに効く!」と実感できた対策法を4つご紹介しましょう。
水をしっかり補給する(ポカリやOS1だとなお良い)
先述したようにお酒は水分不足を招いてしまいます。天敵となる乾燥を防ぐためにも、しっかりと水分補給をしましょう。個人的なおすすめはポカリなどのスポーツドリンクや、OS1などの経口補水液です。
私はOS1のあの薄い海水のような味が苦手だったので、ポカリを愛飲していました。お店が終わって帰宅したあとはもちろんですし、ロッカーにも常備しておいて、営業中余裕があれば飲んでいましたよ。お酒のまわりも抑えられて一石二鳥です。
ただお茶はおすすめしません。個人差があるとは思いますが、私は余計に喉が乾く感じがしたのです。「お茶に含まれるタンニンが喉の粘膜を洗い流してしまう・ウーロン茶は必要な油分も分解してしまう」等諸説あるようですが、悪くなる可能性が少しでもあるならわざわざ飲む必要はないでしょう。
ただし営業中飲むのは「トイレが近くなる」というデメリットがあります。接客中だからと我慢しすぎると、キャバ嬢の職業病でもある膀胱炎になる危険性が。もし営業中に飲むのであれば、1時間に200mlほどを目安に飲んでくださいね。
部屋に加湿器をつける|スイッチ入れて加湿できるように水の事前準備必須
喉(声帯)の保湿をするために、部屋に加湿器を置きましょう。これは私が1番効果を感じた方法です。翌日の声の出が驚くほど違うので、かなりおすすめの方法ですよ。
加湿器と一言にいっても、タイマー機能や温度調整などさまざまな性能差があるでしょう。しかしそんな高価な高性能加湿器を買う必要はありません。私はAmazonで2,580円で売られていた安めの物を使っていますが、その効果は充分です。
ただし出勤前に水だけは入れておきましょう。酔っ払って帰ると水を汲むのもめんどくさくなり、「今日はいいや」と付けない日ができてしまいます。あと私のように空焚きして壊す可能性もありますしね…。
加湿器は声帯だけでなくお肌にとっても良い影響をもたらしてくれます。毎晩化粧&クレンジングを繰り返すため、どうしてもキャバ嬢はお肌が荒れがちです。加湿器で喉もお肌もウルウルにしちゃいましょう!
はちみつをスプーン2杯舐める
これはプロの歌手もおこなっている方法です。帰宅後はちみつをスプーン2杯分舐めましょう。はちみつはビタミンB群を多く含んでおり、粘膜の健康維持に効果的なのです。
何かに溶かして飲むよりも、直接舐めた方が効果が高いと私は感じました。これもスーパーなどで売られているはちみつで構いません。数千円するようなはちみつの方が効くのかもしれませんが、250g398円のはちみつでもその効果を実感しています。
ちなみに喉に良いとされる食べ物はたくさんあります。例えばビタミンAもそうですね。これを信じて人参・豚肉・鶏レバーを食べた時期もありましたが、即効性がないのか効果はわかりませんでした…。
あと生姜湯・大根おろしも試しましたがこれもイマイチ。よくよく調べたら、殺菌作用や抗炎症作用があるから喉に良いとのこと。これは酒やけには関係なかったみたいですね(笑)色んな食材を試しましたが、やっぱり「はちみつを直接舐める」が1番効果的でしたよ!
飴を舐める(のど飴でなくとも普通の飴でOK)
素敵なおじさま、永六輔さんが出演されているCMで有名な浅田飴には、殺菌・抗菌作用があるとされています。他にも市販薬として有名なルルには、咳を抑える成分や殺菌成分が配合されているそう。
しかしここで私が言う飴は、甘いフルーツ味の一般的なもので構いません。お好きな飴で良いのです。カバンの中にいくつか忍ばせておき、お店から出たらすぐに1個舐めましょう。
その目的は常に口腔内に唾液を多く分泌させておくため。お酒のせいで水分不足になっていたり、声の出し過ぎで傷めている喉には、唾液がとても効果的なのです。
お店を出てすぐに舐めれば、帰宅後の加湿器までの繋ぎになります。もし次の日の寝起きに喉の違和感を感じたのであれば、その時に舐めても良いでしょう。
ただあまり甘い飴ばかり舐めていると、糖分の摂りすぎで虫歯や肥満の原因になるかもしれません。たまにはキシリトールやハッカ系を舐めるなどして、上手に調整してみてくださいね。
4つの対策をして飲み会の次の日、酒やけにはならないでおこう!
以上で終わりになります。最後に今回ご紹介した情報をまとめてみましょう。
【”さけやけ”とは】
- 酒焼け:お酒の飲み過ぎで顔が焼けたように赤くなること
- 酒やけ:飲み会後に声帯が炎症を起こし声が枯れたり痛みが出ること
【飲み会の後日酒やけになる原因3つ】
- 喉(声帯)の天敵「乾燥」
- 声帯を酷使する「大声」
- 声帯に悪影響しか与えない「喫煙(副流煙)」
【アルコールは水分不足を招く飲み物】
- 抗利尿ホルモンを抑制し、おしっこが我慢できなくなるため
【ダミ声にならない対策法4選】
- 水をしっかり補給するポカリやOS1だとなお良い)
- 部屋に加湿器を設置する(出勤前に水の事前準備必須)
- はちみつをスプーン2杯舐める
- 飴を舐める(のど飴でなくとも普通の飴でOK)
お酒とは切っても切れない関係にあるキャバクラ。そこで働く若いキャバ嬢が酒やけした声でいるのは、何1つとしてメリットになりません。ウリとなる上品さや清楚さを感じさせなくなるためです。
仮にこれを読んでいるあなたがキャバ嬢じゃなかったとしても、「ハスキーな酒やけ声をどうにかしたい」と思っているなら、きっと有益な情報になったことでしょう。
飲み会後の酒やけは、4つの対策法で防げます。今回ご紹介した情報を参考にして、常に酒やけしていないキレイな声を維持してくださいね。
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