今でも印象に残っているお客様とのエピソードがあって、それは特別に派手な出来事があったわけじゃありません。初めて来てくれたそのお客様は、すごく静かで、あまり自分から話すタイプではなかったんです。最初は「今日はゆっくり飲みたい日なのかな」と思って、無理に盛り上げることはせず、相手のペースに合わせて会話をしていました。たわいもない話を少しして、あとは一緒にグラスを傾けて、静かな時間を共有しているような感覚でした。
帰り際、そのお客様がふと「今日、久しぶりに気を使わずに過ごせたよ」と言ってくれたんです。その一言がすごく心に残っていて、夜のお仕事って、楽しくさせることだけじゃなくて、安心できる場所になることも大事なんだなって改めて感じました。次に来てくれたときも、特別なことはしていないのに、「またここに来たくなった」と言われて、その距離感のままで続いている関係が今でも続いています。