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New!!
2014.12.01
作者情報
| 中里 朱里 |
| 小説家兼コラム二スト。 主に小説、恋愛コラム、携帯ゲームシナリオなどを手がける。 公式サイトはこちら 「nakasato akari.voice」http://nakasatoakari.jimdo.com/ 現在の仕事状況&実績、お知らせなどはサイトをご覧ください。 |
ホトトギス!【完】
2014.08.25
第8話 ホスト辞めますか、夢、追いますか?(後編)
次の日、さくら―葉は出勤し、更衣室にいた信長に声をかけた。
「信長さん……」
「あ、すまん。葉、ちょっと電話が」
そう言って信長は電話を片手に、そそくさと更衣室を出ていく。
「……やっぱり避けられているのかな」
へこむが、ホストクラブのオーナーとして、ホスト達の今後を把握することは大事だと覚悟を決め、信長に何度もその日は声をかける。
しかし、なかなか信長は捕まらない。
すると、そこに雅とその友人が店にやってきた。
「葉さん、信長さん、お願いします」
幸か不幸か、雅の友人は信長の太客の一人であった。信長は諦めた顔をして、雅たちの席につく。そして葉も覚悟を決め、雅の目の前、信長の隣の席に座る。
「信長さん」
「仕事中だ」
顔をそむけたまま、信長は答える。
「分かっています。こちらも仕事の話です」
「……そうなのか」
明らかにほっとした声で信長はこちらを向いた。その瞬間だった。
今日は冷えるからと、政宗はサービスで紅茶を各テーブルに運んでいる最中に、突然ふり返った信長とぶつかった。
「あっ!」
政宗が青い顔をして叫んだ。紅茶の入ったポットが手から滑り落ちる。
「危ない!」
葉はとっさに信長をかばい、避けきれず、上半身にポットからこぼれた紅茶を大量に浴びる羽目になった。
「熱っ!」
葉は運悪く態勢を崩し、床に頭をぶつけ気を失った。
「きゃああああ!!! 葉様!?」
雅が悲鳴を上げる。
「葉!?」
信長が茫然としていると、秀吉が異変に気付き葉の元に駆け寄った。
「葉! 大丈夫か!!」
「申し訳ないです!!」
政宗は真っ青な顔で謝るが、いいからと秀吉は葉を介抱しようとする。そして他のホスト達も心配そうに、葉の元に集まってきた。
「俺のせいだ」
信長は、動揺し顔を青くする。
「早く服を脱がした方がいいのかしら……」
と慌てふためく、謙信。
「いや、無理に脱がすと肌を傷める。上から水かけろ!」
信玄は的確に指示を出す。
「とりあえず、シャワー室に! 秀吉様」
普段無表情な幸村だが、顔を青くして秀吉に伝える。
「ああ」
秀吉は気を失った葉をそっと抱きあげ、仮眠室の隣にあるシャワー室に運ぶ。
「ったく、こんな時に限って家康は非番かよ!」
秀吉は舌打ちをして、葉のスーツの上からシャワーの水をかけた。秀吉は自分が濡れるのも構わず、首元、胸元、腹部と水をまんべんなくかける。熱湯を浴びたあたりを凝視すると、肌は赤くなっているが、幸い大事になりそうではなかった。
ほっとして、水を濡らし続けるうちに秀吉は異変気づいた。
「ん?さらし? 怪我でもしているのか?」
シャツが水に濡れ、透けてみえたさらしに気づき秀吉は手を伸ばした。熱さで朦朧とした葉はそれに気づかない。秀吉はもっと水で患部をぬらそうと、肌を傷めぬようにそっとボタンを外し、さらしを緩めた。
微塵も女であるとは疑わず。
「え?」
そしてあらわになった豊かな胸に、秀吉の顔は赤く染まった。
「ちょっ……マジで?」
「葉オーナー、大丈夫ですか?!!!! オレのせいですみません!!! え?」
泣きそうな顔で政宗がシャワー室に入ってきて、秀吉と葉の様子を見て固まった。
「えええ!!!!」
政宗は胸元があらわになった葉の姿に動揺し、思わず大声で叫んだ。
「どうした?」
「葉が怪我したって?」
「何かあったの?」
「……やっぱり」
店にいた信玄、光秀、謙信、幸村も何事かと、シャワー室に集まってきた。
慌てて秀吉が自分のシャツを着せ、胸は隠されたものの、さらしは緩んだままなので、胸元のふくらみは隠せそうにも無い。
一同は顔色を変えた。
「……葉が女?」
葉を抱きしめたまま、秀吉はかすれた声で呟いた。
葉がホストをはじめて1年と2カ月。残り借金4億円7,120万円。
続く
イイネ!
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