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ポケパラ体入>ポケノベ>ホトトギス!>第8話 ホスト辞めますか、夢、追いますか?(後編)
小説タイトル
イラスト:ヨルノトウコ

目次

【完】

作者情報

中里 朱里
小説家兼コラム二スト。 主に小説、恋愛コラム、携帯ゲームシナリオなどを手がける。 公式サイトはこちら 「nakasato akari.voice」http://nakasatoakari.jimdo.com/ 現在の仕事状況&実績、お知らせなどはサイトをご覧ください。 

小説タイトルホトトギス!【完】 更新日時2014.08.25

第8話 ホスト辞めますか、夢、追いますか?(後編)

小説挿絵 次の日、さくら―葉は出勤し、更衣室にいた信長に声をかけた。

「信長さん……」

「あ、すまん。葉、ちょっと電話が」

そう言って信長は電話を片手に、そそくさと更衣室を出ていく。

「……やっぱり避けられているのかな」

へこむが、ホストクラブのオーナーとして、ホスト達の今後を把握することは大事だと覚悟を決め、信長に何度もその日は声をかける。

しかし、なかなか信長は捕まらない。

すると、そこに雅とその友人が店にやってきた。

「葉さん、信長さん、お願いします」

幸か不幸か、雅の友人は信長の太客の一人であった。信長は諦めた顔をして、雅たちの席につく。そして葉も覚悟を決め、雅の目の前、信長の隣の席に座る。

「信長さん」

「仕事中だ」

顔をそむけたまま、信長は答える。

「分かっています。こちらも仕事の話です」

「……そうなのか」

明らかにほっとした声で信長はこちらを向いた。その瞬間だった。

今日は冷えるからと、政宗はサービスで紅茶を各テーブルに運んでいる最中に、突然ふり返った信長とぶつかった。

「あっ!」

政宗が青い顔をして叫んだ。紅茶の入ったポットが手から滑り落ちる。

「危ない!」

葉はとっさに信長をかばい、避けきれず、上半身にポットからこぼれた紅茶を大量に浴びる羽目になった。

「熱っ!」

葉は運悪く態勢を崩し、床に頭をぶつけ気を失った。

「きゃああああ!!! 葉様!?」

雅が悲鳴を上げる。

「葉!?」

信長が茫然としていると、秀吉が異変に気付き葉の元に駆け寄った。

「葉! 大丈夫か!!」

「申し訳ないです!!」

政宗は真っ青な顔で謝るが、いいからと秀吉は葉を介抱しようとする。そして他のホスト達も心配そうに、葉の元に集まってきた。

「俺のせいだ」

信長は、動揺し顔を青くする。

「早く服を脱がした方がいいのかしら……」

と慌てふためく、謙信。

「いや、無理に脱がすと肌を傷める。上から水かけろ!」

信玄は的確に指示を出す。

「とりあえず、シャワー室に! 秀吉様」

普段無表情な幸村だが、顔を青くして秀吉に伝える。

「ああ」

秀吉は気を失った葉をそっと抱きあげ、仮眠室の隣にあるシャワー室に運ぶ。

「ったく、こんな時に限って家康は非番かよ!」

秀吉は舌打ちをして、葉のスーツの上からシャワーの水をかけた。秀吉は自分が濡れるのも構わず、首元、胸元、腹部と水をまんべんなくかける。熱湯を浴びたあたりを凝視すると、肌は赤くなっているが、幸い大事になりそうではなかった。

ほっとして、水を濡らし続けるうちに秀吉は異変気づいた。

「ん?さらし? 怪我でもしているのか?」

シャツが水に濡れ、透けてみえたさらしに気づき秀吉は手を伸ばした。熱さで朦朧とした葉はそれに気づかない。秀吉はもっと水で患部をぬらそうと、肌を傷めぬようにそっとボタンを外し、さらしを緩めた。

微塵も女であるとは疑わず。

「え?」

そしてあらわになった豊かな胸に、秀吉の顔は赤く染まった。

「ちょっ……マジで?」

「葉オーナー、大丈夫ですか?!!!! オレのせいですみません!!! え?」

泣きそうな顔で政宗がシャワー室に入ってきて、秀吉と葉の様子を見て固まった。

「えええ!!!!」

政宗は胸元があらわになった葉の姿に動揺し、思わず大声で叫んだ。

「どうした?」

「葉が怪我したって?」

「何かあったの?」

「……やっぱり」

店にいた信玄、光秀、謙信、幸村も何事かと、シャワー室に集まってきた。

慌てて秀吉が自分のシャツを着せ、胸は隠されたものの、さらしは緩んだままなので、胸元のふくらみは隠せそうにも無い。

一同は顔色を変えた。

「……葉が女?」

葉を抱きしめたまま、秀吉はかすれた声で呟いた。


葉がホストをはじめて1年と2カ月。残り借金4億円7,120万円。


続く

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